外科

対象疾患

消化器(食道、胃、小腸、大腸、肝胆膵など)の悪性疾患、胆石、胆嚢炎、膵炎、虫垂炎、痔核など消化器の良性疾患、乳腺の良性、悪性疾患 ヘルニアなど

概要・診療方針・当科の特色

基本方針

1. EBMや診療ガイドラインに準じた標準的治療の実施を原則としております。
2. 患者様の病気の状態から、治療の根治性とその侵襲度のバランス、また併存症状や基礎疾患の状態などを念頭に治療方針を決定しております。
3. 医療を受ける患者様およびご家族の方と十分に話し合い、納得のいく治療方針を検討致します。

概要

当科では、上記に示しました疾患を中心に外科的治療を行っております。
現在、死亡原因第一位の「がん」において「がん診療専門施設」に指定されており、当科でも「消化器がん」・「肝臓がん」・「乳がん」などを中心に治療を展開してます。

1.上部、下部消化管疾患

早期がんについては、消化器科とも連携し、まず内視鏡治療(内視鏡的粘膜切除:EMR, 内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD )を考慮します。内視鏡治療が困難、あるいは治療後の病理結果で、追加治療が必要な際は、腹腔鏡を使用した縮小手術を検討します。進行がんについては、定型的手術に加え必要に応じて拡大切除を検討致します。切除不能進行がんについては化学療法を中心に、放射線治療もその適応を十分に検討したうえで選択肢として考慮いたします。
2016年は、上部消化管疾患については手術件数はやや減少しましたが、鏡視下手術割合は上昇し、内視鏡治療件数は前年と比較し倍増しました。下部消化管疾患についても、総手術件数、鏡視下手術件数ともに増加しております。

2.肝胆膵疾患

肝腫瘍については、転移性のものも含め切除可能であれば手術を検討いたします。切除不能な場合には肝動脈塞栓術(TACE)などを行います。低侵襲なラジオ波焼灼療法も行っておりますが、消化器科と連携しその適応を検討しております。
胆・膵腫瘍についても切除可能であれば手術を第一選択といたします。減黄についても経皮、経鼻問わず積極的に行っております。切除不能進行がんの減黄に対してはステントを留置し、自宅での生活を可能することで、患者様のQOLの向上に努めております。
胆道結石につては、胆管結石の治療法は消化器科と連携し、内視鏡による採石術を第一選択とし、胆嚢結石の治療法は腹腔鏡下胆嚢摘出術を第一選択としております。

3.乳腺疾患

乳がんに関しては、患者様の病気の状態にもよりますが、術中迅速病理診断を用いた乳房温存術+センチネルリンパ節生検をまずは検討いたします。進行がんについては、化学療法を行い、その効果によっては縮小手術が可能となるケースもあります。

特色


 地域医療を担う外科専門施設として紹介・来院していただいた患者へ迅速・適切な治療を提供し、治療終了後に紹介していただいた医療機関へ再度お戻しする逆紹介も積極的に行っております。
 地域に根ざした診療を心掛けており、救急患者様を24時間何時でも受け入れられる体制を整えております。
 院内活動として緩和ケア、感染対策、栄養サポート、褥瘡対策などさまざまな専門チームに参加連携し、質の高い診療を行っております。
 下肢静脈瘤など末梢血管疾患は金曜日の専門外来での診療となっておりますが、さまざま患者様のニーズに対応し、評判も上々であります。
 一般社団法人National Clinical Database の登録事業にも参加し、臨床水準の向上に努めております。
 毎月第3木曜日に、消化器オープンカンファレンスを主催しております。さまざまな分野の講師の先生に来ていただき、その講演は毎回示唆に富む内容なっております。近隣の先生方にも広く参加を呼びかけ、知識の集積や整理に役立てていただいております。

スタッフ紹介

役職 氏名 専門分野 認定医・専門医
病棟診療部長
外科部長
鈴木 慶一 一般消化器、肝胆膵 日本外科学会指導医、専門医
日本消化器外科学会指導医、専門医
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
日本消化器内視鏡学会指導医、専門医
日本がん治療認定医機構認定医
日本膵臓学会指導医
日本肝臓学会専門医
日本胆道学会指導医
一般外科医長 橋本 健夫 一般消化器、肝胆膵、乳腺 日本外科学会専門医
臨床研修指導医
外科医長 尾曲 健司 一般消化器外科、上下部消化管 日本外科学会専門医
日本食道学会認定食道科認定医
臨床研修指導医
外科医師 大橋 智輝
外科医師 小關 優歌
外科医師 宇田川 大輔 肝胆膵・移植外科 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
非常勤医師(名誉院長) 田村 明彦 一般消化器、乳腺 日本外科学会指導医、専門医
日本消化器外科学会指導医、専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本救急医学会救急科専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
臨床研修指導医プログラム責任者
インフェクションコントロールドクター
マンモグラフィ読影認定医
医学博士
非常勤医師 林 秀行 血管外科(火曜日午前)

外来診療担当医表

 
午前 小關 優歌(大腸)
尾曲 健司(食道・胃)
小關 優歌(大腸)
宇田川 大輔(肝・胆・膵)
橋本 健夫(一般・乳腺)
○鈴木 慶一(肝・胆・膵)
尾曲 健司(食道・胃)
橋本 健夫(一般・乳腺)
○鈴木 慶一(肝・胆・膵)
午後
特殊外来
午前
林 秀行 (血管) ストマ外来 田島 敦志
(9:00~10:00)
特殊外来
午後
小林 英之(乳腺)

※特殊外来(ストマ外来、呼吸器外科)は、初診は受け付けておりません。また完全予約制となっております。事前にお問い合わせください。

診療実績

臓器別手術件数

  2019年度 2020年度 2021年度
胃疾患 31 29 34
大腸疾患 77 118 95
胆嚢疾患 146 108 139
肝臓疾患 18 14 17
膵臓疾患 18 16 13
脾臓疾患 3 1 0
ヘルニア 119 102 96
虫垂切除 42 36 45
下肢静脈瘤 36 29 7
乳腺 83 113 95

論文・講義、研究情報

論文 
松井芳夫、橋本健夫、田村明彦ほか:吐血を契機に発見された著明な白血球増多を伴った膵腺扁平上皮癌の1例 外科 vol 78 : 1128-1132
講義、研究情報
毎月第3木曜日に、消化器オープンカンファレンスを開催中
開催内容などの問い合わせは、地域医療連携室まで