リウマチ膠原病内科

概要

膠原病とは、自己免疫と呼ばれる免疫の機能異常を介した慢性炎症によって、皮膚、血管、関節などの全身の結合組織を中心に、多彩な症状を呈するいくつかの原因不明の全身性疾患の総称です。これらの疾患の多くは共通して関節を中心とした運動器に症状を認めるため、リウマチ性疾患とも呼ばれます。

膠原病は原因不明であるがゆえにその診断と治療には高度の専門的知識が必要とされますが、これまで宇都宮保険医療圏には長らくこれらの疾患を専門に診療する拠点医療機関が存在しませんでした。

われわれリウマチ膠原病内科は、地域の要請に応えるべく、令和7年4月から3名のリウマチ専門医によって新たに栃木医療センターに開設されました。

診療方針

当科は膠原病/リウマチ性疾患を持つ患者さんのための総合内科です。膠原病/リウマチ性疾患の患者さんは、原疾患の増悪だけでなく、いろいろな合併症を経験するものです。当科では患者さんがどこにかかっていいのか途方に暮れることのないように、患者さんのあらゆる症状の相談に乗り、親身に最適の治療環境を整えます。

診断確定後は、あらゆる疾患において寛解(疾患がなくなったわけではないが、症状が消えた状態)を目指します。寛解に到達し安定した患者さんは、地域の診療所で治療を継続することも可能です。

また診療所で治療継続中に、当科で膠原病/リウマチ性疾患の病状評価を行い、かかりつけの医師に治療方針を提案することも可能です。かかりつけの医師にご相談ください。

当科では、治療、原疾患にともなうあらゆる合併症を積極的に予防し、早期発見に努めます。関節リウマチの場合、肺合併症、血管炎、環軸椎亜脱臼、アミロイドーシスなどの古典的な合併症だけでなく、慢性炎症によって進行する動脈硬化、骨格筋萎縮、骨粗鬆症なども加味した治療方針を提案します。その他の膠原病の場合も、治療による免疫不全にともなう日和見感染症の予防と早期発見のため、最新の治療法の導入によって、最も日和見感染症の危険性の高いグルココルチコイド(副腎皮質ステロイド)の使用を最小限に抑えます。また、中~高容量のグルココルチコイド使用中はST合剤の予防的投与とサイトメガロウイルスpp65抗原の定期的検査を行います。

主な対象疾患

関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
全身性硬化症(強皮症)
皮膚筋炎/多発性筋炎
シェーグレン症候群
混合性結合組織病
オーバーラップ症候群
乾癬性関節炎
掌蹠膿疱症性関節炎
炎症性腸疾患関連脊椎関節炎
強直性脊椎炎
反応性関節炎
ベーチェット病
スイート病
成人発症スティル病
大動脈炎症候群
巨細胞性動脈炎
結節性多発動脈炎
顕微鏡的多発血管炎
肉芽腫性多発血管炎
好酸球性肉芽腫性血管炎
白血球破砕性血管炎
クリオグロブリン血症
急速進行性糸球体腎炎
抗糸球体基底膜抗体症候群
抗リン脂質抗体抗体症候群
サルコイドーシス

スタッフ紹介

花岡 亮輔

花岡 亮輔 医師

経歴

  • 平成9年 昭和大学医学部医学進学科卒業
  • 平成13年 昭和大学大学院医学研究科卒業
  • 平成13年 都立駒込病院アレルギー膠原病科
  • 平成14年 昭和大学第一内科学教室(リウマチ膠原病担当)
  • 平成18年 獨協医科大学呼吸器アレルギー内科学教室(リウマチ膠原病担当)
  • 平成20年 上都賀総合病院リウマチ膠原病内科
  • 令和7年 国立病院機構栃木医療センター リウマチ膠原病内科

資格・専門医

  • 甲種医学博士
  • 日本内科学会内科認定医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本リウマチ学会専門医・指導医
  • 日本内科学会JMECCインストラクター
  • 日本救急医学会ICLSディレクター
  • JCR2010 International Scholarship Award受賞

萩野谷 敏子

経歴

  • 平成21年 獨協医科大学医学部卒業
  • 平成27年 上都賀総合病院リウマチ膠原病内科
  • 令和7年 国立病院機構栃木医療センター リウマチ膠原病内科

資格・専門医

  • 日本内科学会内科認定医
  • 日本リウマチ学会専門医

谷口 夢子

経歴

  • 平成25年 獨協医科大学医学部卒業
  • 平成29年 上都賀総合病院リウマチ膠原病内科
  • 令和7年 国立病院機構栃木医療センター リウマチ膠原病内科

資格・専門医

  • 日本内科学会内科認定医
  • 日本リウマチ学会専門医

外来診療担当医表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 花岡 亮輔 萩野谷 敏子
花岡 亮輔
谷口 夢子
午後 谷口 夢子 花岡 亮輔 萩野谷 敏子 花岡 亮輔