混合性結合組織病(MCTD)

混合性結合組織病(MCTD)は、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などの特徴が 混ざって現れる自己免疫疾患で、抗U1-RNP抗体という自己抗体が見られることが特徴です。

1. 疾患概念(どんな病気か)

MCTDは、単一の膠原病の枠に当てはまらず、複数の膠原病の症状が組み合わさって出現する病気です。 レイノー現象、手指の腫れ(ソーセージ様指)、関節痛、筋炎、食道運動障害などが混在します。

2. 疫学的知見(どのくらいの人がかかるか)

比較的まれな病気で、若年から中年の女性に多くみられます。 正確な頻度は不明ですが、膠原病全体の中では少数派の疾患です。

3. 病態生理(体の中で何が起きているか)

自己免疫反応により、血管や結合組織、筋肉、内臓に炎症が生じます。 抗U1-RNP抗体が血管や組織に結合し、炎症や線維化、血管の収縮などを引き起こすと考えられています。

4. 症状(どんな症状が出るか)

  • 冷えると指先が白くなるレイノー現象
  • 手指の腫れ・太く見える(ソーセージ様指)
  • 関節痛・関節のはれ
  • 筋力低下・筋肉痛
  • 息切れ(肺高血圧症や間質性肺炎による)
  • 飲み込みにくさ、胸やけ(食道運動障害)

5. 検査(どのような検査をするか)

  • 血液検査:抗U1-RNP抗体、抗核抗体、炎症反応、筋酵素などを調べます。
  • 心エコー・心肺検査:肺高血圧症の有無を確認します。
  • 肺機能検査・胸部CT:間質性肺炎の有無や進行度を評価します。
  • 消化管検査:食道造影などで食道運動障害を調べます。

6. 診断(どのように診断するか)

抗U1-RNP抗体が陽性であることに加え、レイノー現象や手指腫脹、 筋炎や関節炎、肺高血圧症などの症状が組み合わさっているかどうかを総合的に判断します。

7. 主な合併症(起こりうる別の病気・障害)

  • 肺高血圧症
  • 間質性肺炎
  • 心膜炎・心筋障害
  • 腎障害

特に肺高血圧症は予後に大きく影響するため、定期的なチェックが重要です。

8. 治療(どのように治す・抑えるか)

  • ステロイド薬で炎症を抑えます。
  • 必要に応じて免疫抑制薬(アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチルなど)を併用します。
  • 肺高血圧症に対しては、専用の肺血管拡張薬を使用することがあります。
  • レイノー現象には血管拡張薬や保温対策が重要です。

9. 予後(今後の見通し)

病気の勢いや合併症の有無により経過はさまざまですが、 適切な治療と定期的なフォローにより、日常生活を続けられる方も多くいます。 肺高血圧症や肺線維症の早期発見が、予後を左右する重要なポイントです。