放射線科

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放射線科の理念

私たち放射線科では心豊かな医療の実践を目指しております。

  • 安全で適切な検査と心温まる接遇の実践
  • 検査に対する恐怖心・不安感を和らげる会話の実践
  • 脱衣による羞恥心に配慮した気配りの実践
  • 患者様の被曝低減の実践
  • 線源管理・装置機器等の安全管理

国立病院機構 栃木医療センター 放射線科

検査案内

ご案内

放射線科案内図

 その他、検査に関してご不明な点や不安な事がありましたら、主治医または診療放射線技師へ遠慮なくお尋ねください。

 また、予約時間の変更に関しましては、予約センターへご相談ください。

連絡先 独立行政法人国立病院機構 栃木医療センター
TEL:028-622-5560 (直通)

放射線検査Q&A

単純X線撮影Q&A

Q.X線ってなあに?

A.X線とは光と同じ、空間を伝わるエネルギーの一種です
光よりも物質を通り抜ける力が強く、目に見えず、体に感じません。物質(体の組織)によって通り抜け方が違うので、透過して来たX線の強弱を画像にしています。

Q.一週間の間で2回X線の検査を行ったが大丈夫ですか?

A.問題ありません
胸部のX線写真の被曝線量は0.05~0.3ミリシーベルトぐらいです。この量はどのぐらいかというと、私たち放射線技師などが1年間に許されている被曝線量が50ミリシーベルトですので、非常に少ない量になります。まず問題ないと思っていただいてかまいません。
被曝によるわずかなリスクよりも、X線写真から得られる情報の方がメリットがあるという前提のもと、撮影を行っています。
(日常生活での危険の度合いを確率的に表わしたときにX線撮影の危険度を1とすると、車はその約20倍、アルコールは約40倍、タバコは約60倍ともいわれていますので、それらと比べれば十分にリスクは低いといえます。)

日常生活と放射線 [PDF:116KB]

Q.妊娠している可能性があるときは検査は受けないほうがいいの?

A.医師とよく相談していただきます
妊娠の可能性があり、その上で検査を行う際には必ず医師に申し出て下さい。胸部単純X線撮影の場合はまず心配ありませんが、腹部の被曝線量が多い特殊な検査を行う場合は問題となる可能性があります。
母体の健康を損なうような重大な病気を見逃してしまうリスクがありますので、検査するか否かは医師の判断を仰ぐことになります。

Q.X線検査を受ける際に衣類や身に付けているものをとるのはなぜですか?

A.見たい所に重なっていると診断に差し支えるためです
X線撮影は、人体を透過したX線の量を白黒の写真として表す検査です。撮影する部位にX線を透過しにくい金属や付属品・ボタン等がある場合、診断に差し支えることがあるため、外していただくことがあります。逆にいえば、撮影する部位以外にX線の妨げになるような物があっても大丈夫です。胸の写真のときは時計や眼鏡を着けたままでも支障ありません。

マンモグラフィQ&A

Q.マンモグラフィとはどのような検査ですか?

A.乳房を専用の装置でより鮮明に撮影します
乳房の主な組織である乳腺と脂肪は、普通のX線装置で撮影しても不鮮明な画像しか得られませんが、専用の装置を用いることでより鮮明な画像が得られます。マンモグラフィは乳がんの診断に用いられる検査です。

Q.痛みなどはありますか?

A.乳房を圧迫して撮影するのである程度の痛みがあります
板と板の間に乳房を挟んで、出来るだけ厚みを減らした状態での撮影になります。
耐えられないときは担当の技師にお申し出ください。

Q.検査の担当は女性ですか?

A.女性技師が担当します
基本的に女性技師が対応していますが、業務の状況などにより待ち時間が長くなる場合がございます。
ご希望がありましたら医師、担当技師にお申し出ください。

骨塩定量検査Q&A

Q.骨塩定量検査とはどのような検査ですか?

A.骨のミネラル(カルシウム)量・密度を測定する検査です
腰椎または大腿骨頚部に二種類のエネルギーのX線を照射して、その吸収の差から骨塩量を計る検査です。骨の頑丈さ・脆さの指標になるので骨粗鬆症の診断に用いられます。

Q.検査時間はどのくらいですか?

A.検査に5分ほど、データの解析に10分ほどかかります
検査室に入ってから検査自体が終わるのに5分ほどかかります。検査の際は基本的に仰向けに寝ているだけです。
その後、收集したデータを解析しますので、検査室の前で10分ほどお待ちいただくことになります。
また、検査前に身長と体重をお聞きする場合があります。

CT検査Q&A

Q.CT検査とはどのような検査ですか?

A.寝台に寝て頂いて、ドーナツ状の大きな丸い穴の中に入り移動しながら撮影する検査です。
検査部位・内容によっては、息を止めたり、造影剤を使用します。検査時間は、検査部位・内容によって異なりますが、約5~15分程度です。

Q.MRI検査との違いはなんですか?

A.MRI検査→磁力を利用  CT検査→X線を利用
MRIは磁気を利用して、人体のあらゆる方向からの撮影が可能です。MRI検査の特徴として造影剤を使用しなくても血管を撮影できるという利点があります。一方、CT検査に比べて体が入っていく穴が狭いうえに検査時間が約20~30分程度と長くかかります。ペースメーカーなどの体内金属がある方、閉所恐怖症の方は検査ができないことがあります。
CT検査はMRI検査と比べて、短時間で撮影できる、磁場による制約が無い等の特徴があります。

Q.造影剤とは?

A.より確定的な診断を行う為に造影剤を使用します
造影剤を使うことにより、より詳しく・正確に病変を確認することが出来ます。 通常、腕の血管(静脈)より注射し検査を行います。造影剤には海藻にも多く含まれているヨード成分が入っており、まれに副作用(アレルギー)が起こる場合があります。軽い症状としてくしゃみ、吐き気、かゆみなどがあり、きわめて稀ですが血圧低下、呼吸困難などを生じることがあります。当院では、医師が事前にチェックを行い、院内で研修を受けた看護師が注射を行っていますので、こうした副作用に対しても万全の体制が整っています。造影剤を使用するに当たっては造影検査の注意事項に目を通していただき、同意の有無を同意書にて確認しています。

Q.X線検査との違いは?

A.体の細かい輪切りの断面画像が撮影できます
同じX線を使っていますが、体をぐるりと一周撮影していくことで体の断面の画像を得ることが出来ます。
X線検査と違い体の内部を断面で観察していくことで、より詳しい情報を得ることができます。また、輪切りの画像を積み重ねていくことで、三次元データとして撮影した部位を輪切り以外の断面に再構成することができます。

MRI検査Q&A

Q.MRI検査とはどのような検査ですか?

A.磁場を用いて検査部位の様々な断面画像が撮影できます
大きな電磁石の中に入っての検査になりますで、体内外の金属や機器類に対して制限があります。直径50~60cmほどの狭い筒状の穴の中に入っての検査で、撮影中は非常に喧しい音がしますので、基本的に耳栓をしていただきます。腹部など検査部位によっては15~20秒ほどの息止めが必要なものもあります。検査時間は15~40分が目安になります。

Q.検査室に持ち込めないものはなんですか?

A.金具・金属類、機器類、貼付薬など
MRIは強力な磁場の中で検査するため、金属(磁性体のもの)は身につけられません(コンタクト、ラメを含んだ化粧等も金属が含まれているものがあります)。金属以外では、湿布薬・ニトロダーム(心臓疾患を抑える貼布剤)・ニコチンパッチが検査中に熱を持つためその対象となります。
安全の為、衣服類(金具の無い肌着を除く)も含めてなるべく撮影室の中には持ち込みたくないので、基本的に検査着に着替えていただいてからの検査になります。

Q.検査を受けることが出来ない場合は?

A.体内(特に心臓や頭部)に金属(磁性体)のある方、閉所恐怖症の方、妊娠中の方など
ペースメーカー、金属性の心臓人工弁、人工内耳、冠動脈等に磁性体のステント挿入後2ヶ月未満の方。その他体内に金属(人工関節、脳動脈に金属クリップやコイル等)がある方や、閉所恐怖症、妊娠中、入れ墨のある方(火傷や変色の可能性がある)は検査できないことがあるため医師、担当技師にお申し出ください。

Q.検査時間はどのくらい?

A.検査内容にもよりますが15~40分程度です
基本的に寝台に横になって寝ているだけですが、身体の動きの影響を受けやすい検査になりますので、検査中は出来るだけ体を動かさないようにお願いします。長時間横になって動かないでいるのが難しい方は、あらかじめ医師、担当技師にお申し出ください。

Q.造影剤とは?

A.より確定的な診断を行う為に造影剤を使用します
静脈から注射をするものと、飲み薬として飲んでもらうもの、2種類あります。造影剤を使用することにより、血管や病変部のより詳しい情報が得られます。造影剤を使用しなければ評価の難しい疾患もあります。造影剤を使用するに当たっては造影検査の注意事項に目を通していただき、同意の有無を同意書にて確認します。

X線透視造影検査Q&A

Q.X線透視造影検査とはどのような検査ですか?

A.動画のように連続で撮影しリアルタイムで体の中を観察します
透視(連続で撮影)しながら長い管を体に挿入して先端を目的の部位まで持っていきます。先端から造影剤を注入することで、検査部位の形や体液の流れが観察できます。また、そのまま治療を行ったり、そのままチューブなどを留置する検査もあります。
バリウム検査のような直接造影剤を飲んで検査するようなものもあります。

Q.時間はどれくらいかかりますか?

A.検査内容によって様々です
事前に入院が必要な検査や、外来で来院して10分ほどで終わってしまうような検査もあります。
また、チューブの交換などで定期的に来院していただくような治療目的の検査もあります。

血管造影Q&A

Q.血管造影検査とはどのような検査ですか?

A.血管の中に長い管を通して目的の血管を造影する検査です
腕や腿の付け根の血管から長い管を通して、頭部や腹部等の血管を選択的に造影して撮影する検査で、造影前の画像と造影後の血管が描出された画像を差し引きすることで、目的の血管だけの画像を得ることができます。

Q.どれくらい時間がかかるの?

A.検査時間自体は30分~2時間ほどですが、基本的に検査前後は入院していただきます
検査時間は,目的とする血管の種類,数によって異なりますが,短いと30分程、長いものでは2時間程度かかります。
検査自体の時間は上記のようになりますが、検査前の準備や、検査後に安静が必要になることから、基本的に入院しての検査になります。

放射線治療Q&A

Q.放射線治療とはどのようなものですか?

A.病変部位に放射線を照射して治療します
放射線(X線や電子線)を体の外から病変部位に、いくつかの方向から照射することにより、目的部位に集中的に放射線を照射して、最終的に化学療法・外科的手術と併せて、病変の縮小・根治を目指すものです。

Q.付き添いの人が被曝することはないのですか?

A.外照射(体の外から照射する)の場合は被曝はありません
外照射の場合、放射線治療室の外では、放射線治療を受けている患者さんのそばにいても、周囲の方に対しては全く影響がありません。また、患者さんから放射線が出るようなことはありませんので御安心下さい。

Q.放射線治療の効果はいつ頃から出るでしょうか?

A.病気によって様々です
病気の種類によって治療開始後間もなく効果の現れるものから、治療が終って1~2ヶ月してから現れるものまで様々です。詳しいことは担当の医師にお尋ね下さい。

Q.副作用はありますか?いつ頃治るでしょうか?

A.病気、治療方法、個人によって様々です
治療が進むにつれて、食欲がなくなったり、吐き気がしたり、皮膚がかゆくなる人もいます。照射部位によっても違いますが、個人差があり、同じ治療をしていても大丈夫な人もおますが、辛い症状が出る人もいます。通常は一時的な場合が多く治療終了後には徐々に消えていきます。不快感がありましたら無理せずご相談下さい。

Q.入浴してもよいですか?

A.照射部位、しるしには気を遣って下さい
入浴に関しましては特に差し支えはありませんが、できるだけぬるめのお湯にして入浴剤などは避けてください。また照射部位(しるしが付いている所)は回数が進むにつれて皮膚が弱ってきます。(2門照射の場合は反対側も同様です。)この部分は洗剤等で洗わずシャワーでさっと流して下さい。体を拭く場合もこすらずタオルで押さえるように拭いてください。

Q.どのような食事をすれば良いですか?

A.特に制限はありません
放射線治療に関しましては特に制限はありません。栄養のバランスのとれた食事をお勧めいたします。ただし、食事制限を受けている方はそちらの指示に従ってください。患者様によっては治療中1日3度の食事がすすまない場合もございますが、何度かに分けても良いのでなるべく食べるようにしましょう。

Q.服装の制限はありますか?

A.照射部位の皮膚、しるしからの汚れに気を付けて下さい
治療回数が進むにつれて照射部位の皮膚が弱くなってきます。湿布や絆創膏などを貼ることや日焼けは禁物です。衣類に関しては肌触りの良い物をお勧めします。下着も同様ですが皮膚にインクで照射部位にしるしを書くため下着が汚れてしまう恐れがあります。治療期間中は汚れても良いような着古した物の着用をお勧めします。また圧迫するような下着は避けたほうが良いです。
運転される方でシートベルトが照射部位に重なる場合はタオル等をあてるとシートベルトによる摩擦も減りますので試して下さい。

検診業務

肺がんCT検診

検査内容

 喫煙者の方、咳、痰が続く人、40才以上の方、肺がんCT検診を受けてみませんか。80列の検出器を持つマルチスライスCTにより1mm間隔で肺の断面を撮影いたします。

 写真左は進行した肺がん、同右は胸部CT検診で発見された早期の微小肺がんの例です。マルチスライスCTで肺を撮影することにより、胸部X線写真では見つけることが難しい直径数mmの早期微小肺がんや、肺炎、気胸といった肺の病変を発見することができます。

進行性肺がん
淡く小さい早期の肺がん

 肺がんCT検診はどなたでも受けることができます。特に咳き、痰などが続く人、家族にがん歴 のある人、喫煙者(または同居者が喫煙者)、40歳以上の方などにお勧めします。

-マルチスライスCTとは

 当院のマルチスライスCTは80列の検出器を内蔵しており、同時に複数の断面画像を得ることができます。
複数の画像を同時に撮影することにより短時間で肺全体の検査が可能となり負担無く検診を受けることが
できます。また胸部X線写真に比べて3次元的に肺の情報を得ることができるため、早期かつ微小な肺がんも
検出することが可能です。

肺がんについて

 肺がんによる死亡は全癌の中でトップです(男性1位、女性2位)。高齢化の要因を省いても、過去50年間に肺がんによる死亡率は4~5倍に増えており、男女共に以前のトップである胃がんを抜いています(グラフ1)。 また、近年女性の喫煙率の上昇により女性の肺がんの増加が懸念されています。なぜ肺がんの死亡率は高いのでしょうか…。これは治り得る時期の早期の肺がんが、治り得る時期に見つけ出されていないことが最も大きな要因です。肺がんの早期発見と早期治療は現在においては社会的な要請事項の1つとなっています。

男 性 女 性
グラフ1(資料)厚生労働省「平成23年度人口動態統計」

検査当日の流れ

  1. ご予約の日時に当院、初診窓口にご来院ください。
  2. 窓口にて外来基本カードを受け取り、放射線科の受付にお越しください。
  3. CT検査室へ、ご案内します。
  4. 検査をお受けください。検査時間は準備も含めて約10分程度となっています。
    (予約の状況、救急患者さまの検査の有無によりお待ちいただくことがございます。)
  5. 検査が終わりましたら、スタッフがお会計へご案内いたします。
  6. 検査結果の報告書は、1週間以内にご自宅へ郵送いたします。

内臓脂肪量測定検査(メタボリック症候群の検査)

検査内容

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は内臓脂肪の蓄積、脂肪代謝異常、高血圧、高血糖が正常値を超えていないかを測定することで判断することができます。
メタボリックシンドロームになると、心筋梗塞、狭心症などの危険度が正常な人の5~35倍になるだけでなく、死に繋がる生活習慣病の引き金となります。内臓脂肪の計測はへそ周りのウエスト径で判定し、男性85cm未満、女性90cm未満(内臓脂肪の面積が100平方センチ未満)あるいはBMIが基準以内(25未満)が正常とされます。内臓脂肪の計測はCT画像による測定が最も正確な値を得ることができます。

メタボリックシンドロームについて

 内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態のことをメタボリックシンドロームと言います。
特に日本人は、米国人と比べると民族的体質からメタボリックシンドロームの影響を受けやすいといわれています。
厚生労働省の全国調査では日本人の中高年(40~74歳)のうち、男性で2人に1人、女性で5人に1人がメタボリックシンドロームあるいは予備軍であることが発表されました。

検査当日の流れ

  1. ご予約の日時に当院、初診窓口にご来院ください。
  2. 窓口にて外来基本カードを受け取り、放射線科の受付にお越しください。
  3. 担当者が内科へご案内しますので、身長、体重、腹囲を計測していただきます。
  4. CT検査室へ、ご案内します。
  5. 検査をお受けください。検査時間は準備も含めて約10分程度となっています。
    (予約の状況、救急患者さまの検査の有無によりお待ちいただくことがございます。)
  6. 検査が終わりましたら、スタッフがお会計へご案内いたします。
  7. 検査結果の報告書は、1週間以内にご自宅へ郵送いたします。

お申し込み方法

お電話による予約でお申込みください。
直接来院された場合もお受けいたしますが、CT検査の混み具合により当日検診ではなく、後日の予約となる場合があります。

お申込み受付日時

月曜日から金曜日まで

9:30~17:00

予約、問い合わせ電話番号

TEL:028-622-5241
放射線受付(内線3540)または地域医療連携室(内線3287)

検診の費用(検診結果の郵送を含む)

肺がんCT検診 7,000円
内臓脂肪量測定検診 2,000円
肺がんCT検診+内臓脂肪量測定検診 8,000円

※本検診に健康保険は適用されません。費用は自己負担となります。

地域共同利用のご案内

当院では、より質の高い医療を効率的に提供するために、近郊の医療機関との「病診連携」を積極的に取り入れています。
ご依頼は地域医療連携室にて承っております。詳細は以下のページをご覧ください。
地域医療連携室 地域共同利用のご案内

単純X線撮影

単純X線撮影って?

単純X線撮影は、極微量のX線を体に当てて胸部・腹部・骨・関節等を画像にする検査です。X線は骨・筋肉・脂肪・空気といった人体の様々な構成組織を透過します。その透過の割合は組織によって異なり、例えば骨は透過しにくいので写真上では白く、肺野などの空気は透過しやすいので写真上では黒く描出されます。迅速かつ簡便にでき、撮影される写真からは様々な情報が得られます。病気や怪我を診断するための第一段階として行うことの多い検査です。
手術後や放射線科まで降りることが困難な方、緊急を要する方は、技師が病室に出向き、ポータブル装置でのX線撮影を行っています。

当院では、FPD(Flat Panel Detector)という新しい撮影装置の導入により、より効率のよい撮影が可能になりスピーディな検査が可能になりました。

検査の方法

  1. 診察時に担当医師より、当日の検査内容が書かれた外来基本カードを受け取ります。
  2. 放射線科受付で外来基本カードを提出してください。
  3. 受付でご案内した撮影室の前の椅子に座りお待ちください。
  4. お名前を呼ばれましたら撮影室内に入り、検査を受けていただきます。
  5. 検査終了後は、次の場所(診察室、他検査、病棟、お会計等)へお進みください。

検査の種類

胸部・腹部撮影

胸部撮影では、肺野や縦隔部(主に心臓、大動脈など)に異常がないかを調べます。
この検査では呼吸や身体の動きが写真に影響するのを防ぐ為、また肺野をできるだけ広く描出する為に吸気で撮影します。
撮影時に技師から「息を吸って、止めてください」と合図があります。

 腹部撮影では、腹部領域の臓器(肝臓、腎臓など)、腸管内ガスや尿路系に異常がないかを調べます。
この検査では、横隔膜を上げて腹部をできるだけ広く描出するために呼気で撮影します。
胸部撮影と同じように「息を吸って、吐いて止めてください」と合図があります。

胸部X線写真 腹部X線写真

骨・軟部撮影

 この検査では骨、関節、靭帯、筋肉、脂肪組織の状態を調べます。骨折、骨変形、脱臼など病変部の形状を調べるために、様々な方向から撮影します。その際に体の向きや姿勢を変えていただくことがあります。また、撮影によっては息を吸って、または吐いて止めていただくことがあります。

腰椎撮影画像 股関節撮影画像

歯科撮影

 この検査では、歯や顎の骨、その周囲の組織を調べます。

口腔内に小さなフィルムを入れていただき、歯やその周囲の組織を撮影するデンタル撮影と、装置に15秒ほど掴まり立ちしていただき、顎の骨からその周囲の組織にいたるまで広く描出することの出来るパントモ撮影があります。

パントモ撮影画像 デンタル撮影画像

検査の注意事項

 検査の注意事項

 撮影範囲内に異物があると、写真に写ってしまい診断の妨げになりますので、
撮影前に撮影室内で外していただきます。
また、厚い衣服はX線の透過を妨げ、
適切な画像を得られないため、検査着に着替えていただく場合があります。

頭頚部・歯科 眼鏡、ヘアピン類、ピアス、かつら、補聴器、ネックレス、取り外し可能な入れ歯
胸 部 ネックレス、エレキバン、湿布、カイロ、
衣類(金属、ボタン、ビーズ、プラスチック、ファスナー、厚手のプリント類、ブラジャーなど)
腹 部 湿布、カイロ、コルセット、ベルト、
衣類(金属、ボタン、ビーズ、プラスチック、ファスナー、厚手のプリント類、ブラジャーなど)
四 肢 指輪、ブレスレット、腕時計、靴、靴下、湿布、ボタン、場合によって装具、包帯

 撮影時の体の動きや、呼吸による動きはX線写真のブレの原因となります。
検査時に、技師が呼吸や体位の指示をいたします。また、正しい体位で撮影を行うため、技師が患者様の身体に触れることがあります。その際には必ず説明をいたしますのでご協力お願いします。
その他、わからないこと、不安なこと等ございましたら、担当技師へご相談ください。

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乳房X線撮影

マンモグラフィとは?

 マンモグラフィとは、乳房専用のX線検査のことです。乳房は柔らかい組織でできているため、専用のX線撮影装置を使用します。

 しこりとして手に触れない小さな腫瘤や乳腺の乱れ、微細な石灰化などを明瞭に写し出し、早期の乳がんを見つけることが出来ます。また、過去の画像と比較することで、組織の微妙な変化がわかります。

検査の方法

 撮影装置の前に立ち、左右の乳房を片方ずつ撮影台の上に乗せて、乳房を2枚の板で圧迫しながら挟み、撮影します。通常は上下方向、斜め方向各1枚ずつ、計4枚撮影します。

 乳房を圧迫している時間はそれぞれ十数秒、検査時間は更衣を含めて10~15分程度です。

何故ペチャンコにしなくちゃいけないの??

 乳房は厚みのあるものです。乳房の中には乳腺・脂肪・血管があり、厚いまま撮影すると、それらが重なってしまい、小さな病変を見逃してしまいます。また、乳房を薄くすれば、放射線による被曝線量を減らせます。
これらの理由から、乳房を薄く圧迫して撮影する必要があるのです。

マンモグラフィ、こうすれば痛くない!

(1)生理前は避ける

 生理前はホルモンの関係で乳房が張るため、圧迫すると痛いことがあります。乳房の張りが少ない生理開始3~5日目以降に受検するのがベストです。

(2)体の力を抜く

 緊張して体を硬くしていると、痛みが増すことがあります。息を吐き出して、出来るだけリラックスすることが、痛みをより少なく、より良い検査を行うコツです。

マンモグラフィ検査を受けるにあったっての注意事項

 以下に当てはまる方は、検査前にお申し出ください。

  • 妊娠している方、妊娠している可能性のある方
  • 心臓ペースメーカーを装着している方
  • 乳房豊胸手術をしている方
  • 乳房再建手術をしている方
  • 脳室-腹腔内シャント(水頭症手術の既往)がある方

 その他、気になることがあれば、遠慮なく技師にお尋ねください。

乳がんのリスクファクター(危険因子)

 乳がんになりやすいとされる危険因子にはこの様なものがあります。

  • 初潮が早い・閉経が遅い
  • 出産未経験(含む未婚)および出産数が少ない
  • 初産が30歳以上
  • 授乳歴がない
  • 肥満
  • 良性の乳腺疾患(乳腺症など)になったことがある
  • 乳がんになったことがある
  • 家族に乳がんになった人がいる

 当てはまるものはありますか?

自己検診してみましょう!

乳がんの症状でいちばん多いのは「しこり」です。

 乳がんは、約9割がしこりで発見されます。

 早期に発見するためには、その特徴を把握しておくことが大切です。

 月に一度、乳房の自己検診をして、乳がんに特徴的な変化がないかチェックする習慣をつけましょう。

自己検診のベストタイミングは?

閉経前なら

閉経後なら

月経が始まって1週間後を目安に。 月に一度、覚えやすい日を決めて。
・鏡の前で腕を上下させたり、頭の後ろで手を組んだり、手を腰に当てて上体をかがませるなど、いろいろな姿勢をとって乳房の変化を確かめます。 ・調べる乳房側の腕を上げ、もう一方の手で乳頭周辺から円を描くようにして、指の腹でゆっくり調べていきます。入浴時、石鹸をつけて触れたり、布団の上で仰向けに寝て触れるとしこりなどの変化がわかりやすくなります。

チェックポイント

  • 乳房にしこりはないか
  • 乳房にへこみなど皮膚表面の変化はないか
  • 乳頭から分泌物はないか
  • 脇の下にしこりはないか
  • 乳頭のただれはないか

30歳を過ぎたら毎月1回定期的に自己検診を心がけましょう。

しこりや何か変化を感じたら、早めに専門医(外科)の診察を受けましょう。

早期発見、早期治療が大切です。

40歳を過ぎたら定期的な乳がん検診をおすすめします。

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骨塩定量検査

骨塩定量検査とは?

 骨密度に着目し、Ⅹ線の透過率を数値化することで、骨量の減少を早期に発見し、骨粗鬆症の適切な予防や治療を行うことを目的としています。

*当院では腰椎と大腿骨の骨量を測定する装置を使用しております(DEXA法)


DEXA法 (Dual Energy X-ray Absorptiometry)
2つの異なるエネルギーのX線を用いることにより、
骨と軟組織(脂肪・筋肉)を分離し、
より正確なデータを得ることができます


骨塩定量装置 GE:PRODIGY-C

検査の方法

1.【再診の方】来院時、医事課前にあります再来受付機に診察券を通し、外来基本カードを発行してください。
  【紹介状お持ちの方】紹介状を持って初診窓口へおこしください。

2.放射線科総合受付へ進んでいただき、外来基本カードを提出してください。

3.検査に対する注意事項は下記の通りです。
  ・正確な測定のために身長や体重をお伺いします。
  ・腰のあたりにベルト、エレキバン、その他金具のものがありましたら着替えていただきます。
  ・腰椎・股関節に手術等で体内金属等が入っている方は検査担当者へお伝えください。
  ・検査台に足を伸ばして仰向けで寝ていただきます。
  ・検査中はベッドに仰向けに寝ているだけで苦痛はなく、5分程度で終わります。
  ・測定中は体を動かさないようにして下さい。

4.検査終了後は、会計カードをお渡しします。医事課5番窓口にて会計を済ませてお帰りください。
  診察のある方は、受診する科までお進み下さい。

測定結果

骨密度と年齢をグラフ化したものです。が測定者の値となります。

BMD  :骨密度 骨量を面積(単位g/cm2)で割った値
Tスコア:若年齢の平均BMD値(基準値)を0として、標準偏差を1SDとして指標を規定した値に用いられます。

 骨形成の段階で一番骨密度が高いと言われている年齢の22歳の平均骨密度と比較した値です。100%で平均値となります。

骨密度と骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

 骨は体の成長に伴い重みを増し、25歳ごろに最大ピークとなります。
その後40歳ごろまで一定に維持されますが、加齢やその他の原因で
徐々に骨がスカスカ(骨密度の低下)になっていきます。このように骨が
スカスカになった病態を「骨粗鬆症」と言います。高齢の方、特に女性の
方に多い病気でこの状態が悪化すると転んだだけでも骨折してしまう
ような病気です。このバランスを崩す要因として、加齢・閉経・卵巣摘出・
甲状腺機能亢進症・胃切除などがあります。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防法

①食生活

 食生活骨形成に欠かせないのがカルシウムであるが併せて摂取すべきは、ビタミンDです。カルシウムは吸収されにくいため、腸からのカルシウム吸収を促すビタミンDは、見落とされがちですが、骨にとっては非常に大切な栄養素です。ビタミンDを多く含む魚類、卵、きのこ類などを積極的に摂取するようにしましょう。
さらに、ビタミンKも、骨代謝に関わる重要な栄養素ですので、緑黄色野菜や納豆などの発酵製品の摂取も心がけましょう。

②日光浴

 外に出て日に当たることで、皮膚からビタミンDを生成できます。適度な日光浴も大切です。骨のためだけでなく、精神的にも日光浴は効果があります。

③適度な運動

 骨密度の維持には、運動による骨への刺激が大切です。骨への刺激は、カルシウムの骨への取り込みを促します。
運動不足になると、骨を保護する筋肉が萎縮し、筋力が弱り、骨の脆弱化につながります。軽い運動、ウォーキングなどを心がけましょう。特に水泳・水中ウォーキングなどは、水の浮力を利用することで下肢や体幹への負担を軽減しての運動が可能になります。水圧に対する抵抗運動ですので、骨だけでなく筋肉増大・筋力アップも期待できる適切な運動といえます。

*参考文献*

中村利考:ビタミンDによる骨粗鬆症の治療、医学の歩み
森田陸司:骨粗鬆症と骨塩定量―DEXAによる骨塩定量

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CT検査

CT検査とは?

 CTは、コンピューテッドトモグラフィ(Computed Tomography)の略称で、X線を人体の周囲360°を回転させながら連続で照射し、体を透過してきたX線の強弱を検出器で収集することで、体の輪切りの画像を得ることができます。検査の時間は撮影部位にもよりますが、5~15分程度です。また、検査の目的によっては造影剤というヨード製剤のお薬を使用して撮影を行います。

Aquilion PRIME 東芝社製
80列マルチスライスCT装置

検査の方法

  1. 【再診の方】医事課前にあります再来受付機に診察券を通し、外来基本カードを発行してください。
    【紹介状お持ちの方】紹介状を持って初診窓口へおこしください。
  2. CT検査室前にある自動受付機に、外来基本カードのバーコードをかざすとCTの受付票が出ますので、こちらをお持ちになってお待ちください。
    当検査室は、直接案内する受付係の者がいないためご不便とご不安をおかけしますが、再来機やモニター等で確認していますのでそのままお待ちください。
  3. 外来救急患者様や入院患者様の急変などにより予定より遅れることがあります。
    ご迷惑をおかけすることがありますが、検査の優先順位をご理解のうえご協力をお願いいたします。
  4. 検査終了後は、会計カードをお渡しします。医事課5番窓口にて会計を済ませてお帰りください。
    診察のある方は、受診する科までお進み下さい。

検査の種類

CT単純・造影検査とは

 造影剤を使用しないで行う方法を単純検査といいます。また必要により静脈血管より造影剤を注射して組織や臓器とのコントラストをつけ、より詳しい画像情報を得る検査を造影検査といいます。造影検査は検査前に食事をした場合でも経過時間や検査目的によっては、影響しないでできる場合があります。事前に、担当診療科またはCT検査室までお知らせください。

胸部単純CT 腹部造影CT
冠動脈CT 大腸3D-CT

検査の注意事項

検査前

  • 妊娠している方、または妊娠している可能性のある方は検査を受けられません。
  • 心臓ペースメーカー体内装着している方はあらかじめ検査前にお知らせください。
  • 検査する部位にベルトやピン等の金属製のものがある場合は事前に外しておいて下さい。
    プラスチック製のボタンのついた衣服は検査に影響ありません。
  • 腹部CT検査造影CT検査を行う場合は、検査予約時間の約4時間前からお食事をとらないようお願いいたします。

検査中

  • 検査は通常、CT装置寝台に仰向けに寝て行います。
    また、検査中はできる限り体を動かさないようにご協力をお願いいたします。
  • 検査中は担当技師がモニターを通じて観察しており、マイクを通じて担当技師と会話ができますので、気分不快や異常な点などが生じましたらすぐに声をおかけください。

検査後

  • 食事、入浴は普段どおりで大丈夫です。
  • 造影検査を行った場合は、造影剤排泄を促すために水分を多めにとってください。

造影剤の使用に関して

 造影剤使用に際しては、医師より造影に関する作用・副作用等説明後、造影剤問診表と同意書に記入をお願いしています。

内服薬について

 他院での内服薬を処方されている場合はお薬手帳など薬品名がわかるものをお持ちください。
 服用薬によっては、検査前後に服用中止する場合があります。

副作用について

次に該当する方は造影剤を使用できない場合があります。必ず主治医にお知らせください。

  • 過去に造影検査を受けた時に、吐き気や発疹など副作用と思われる症状があった。
  • 気管支喘息、花粉症、食物や薬などにアレルギー症状やアトピー体質がある。
  • 心臓病、肝臓病、腎臓病、甲状腺、けいれんなどの病気がある。
  • 授乳中である。

 造影検査後2日間位までは、発疹、吐き気等の症状がでる場合があります。
診療時間内であれば、受診した科に、時間外であれば救急外来に必ず連絡してください。

その他注意事項

  • 造影検査を受ける方は検査開始30分位前までに水分を多め(300ml位)にとってください。
    また検査終了後も造影剤の排泄を促すために水分を多めにとってください。
  • 腎機能によっては、検査前に点滴による水分補給処置を行う場合があります。該当する方は事前にお知らせください。点滴には造影検査前後あわせて約2時間30分要します。
  • 通常は腕の静脈から造影剤を専用の装置で自動注入します。この際身体が温かくなるような感覚が出現しますが、すぐに消失しますのでご心配いりません。
  • まれに造影剤が、血管外に漏れることがあります。通常は自然に吸収されて心配ないと思われますが、痛みがある場合や漏れた量が多い場合は、外来診療科にて処置をいたしますのでお知らせください。

CTのQ&Aへ

MRI検査

MRI(Magnetic Resonanse Imaging)検査って?

 MRIは磁気共鳴画像(Magnetic Resonanse Imaging)の略称で、強い磁場と電波を用いて人体のあらゆる部位を、いろいろな角度からの断面の写真を撮影することができます。

 放射線は使用しないので被曝の心配はありません。軟部組織の描出能に優れており、脳、背骨、腕や足、肝臓や膵臓、子宮や卵巣、前立腺など、病気の形状や性質の診断に有用な検査です。

 また、脳の血管を造影剤を使わずに描出することも可能です。

 検査の時間は、CTの検査等と比べると長く(平均で20分程度)、大きな音が鳴りますので、検査中は耳栓をしていただきます。

GE社製 SIGNA-HDxt

検査当日の流れ

  1. 【再診の方】医事課前にあります再来受付機に診察券を通し、外来基本カードを発行してください。
    【紹介状お持ちの方】紹介状を持って初診窓口へおこしください。
  2. MRI室前廊下にある自動受付機に、外来基本カードのバーコードをかざすとMRI受付票が出ますので、こちらをお持ちになったままお待ちください。
  3. 外来救急患者様や入院患者様の急変などの理由により、予定より検査時間が遅れることがあります。検査優先順位のご理解ご協力をお願いいたします。
  4. 検査準備が整いましたら撮影を開始します。
  5. 検査終了後は、会計カードをお渡しします。医事課5番窓口にて会計を済ませてお帰りください。他の検査や診察のある方は、予定に従ってお進み下さい。

検査の種類

頭部MRI検査

 頭部MRI検査では脳出血、脳梗塞の有無、頭痛や手足の痺れの原因調査、脳萎縮や変性疾患などの診断を行います。また、造影剤を使用せず血管を描出することができるMRA(MR Angiography)を併用して撮像し、脳血管の狭窄、閉塞、動脈瘤などの診断を行います。

T1強調画像 T2強調画像 MRA画像

椎体部(背骨)MRI検査

 椎体部MRI検査では、主に骨と脊髄の様子を観察することができます。脊椎症や脊髄損傷、脊髄空洞症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎体圧迫骨折などの診断に非常に有用です。

腰椎MRI画像 腰椎MRI画像

腹部MRI検査

 腹部のMRI検査では、肝臓や脾臓、胆嚢、膵臓などの検査ができます。下の写真のように、胆嚢や胆管、膵管の腫瘍や結石の有無がよくわかる検査ができます。
検査中は20秒ほどの息止めを何回か行っていただきます。
前立腺や子宮、卵巣など下腹部の検査では、息止めはありません。

MRCP画像 骨盤部MRI画像

整形分野MRI検査

 整形分野のMRI検査では、関節や骨の病気、筋肉の炎症、靱帯の損傷状態の把握に適しており、さらに任意の断面が得られるので非常に多くの情報を得ることができます。
また、「できもの」などの軟部腫瘍の性状も調べることができます。

膝関節MRI

心臓MRI検査

 心臓MRI検査では、立体的な心臓の断面をあらゆる角度で撮影でき、さらにさまざまな撮影を行うことで、心臓の形状や動き方を観察します。造影剤を使用する場合は、心臓の血管の詰まり(梗塞)が白く映し出され、梗塞部位の特定や、どのくらい梗塞が起きているかなど、心筋梗塞の重症度もわかります。

心臓 MRI

*心臓MRI検査でわかるおもな病気*
・心筋梗塞・拡張型心筋症・肥大型心筋症・先天性心疾患・心サルコイドーシスなど

検査の注意事項

検査前

 MRI室には常時非常に強力な磁場が発生しておりますので、以下の項目に該当するものは検査室内に持ち込むことはできません。

金属類 ヘアピン、眼鏡、ピアス、かつら、取り外し可能な入れ歯、
補聴器、ネックレス、ブレスレット、時計、ライターなど
磁気カード類 キャッシュカード、クレジットカード、定期券など
その他 湿布、カイロ、コンタクトレンズなど

 衣服に関しましては、金属製のボタンまたはファスナーやチャックなど、金属がついている場合は更衣室で外していただき、検査衣に着替えていただきます。当日は着替えのしやすい服装でご来院ください。更衣室には鍵が掛けられます。
また、化粧品にも微量ながら金属分が入っている物がありますので、出来るだけ化粧はしないようにお願いいたします。撮影内容によっては、落としていただく場合があります。頭髪には、増毛スプレーやパウダーは用いないようお願いいたします。(画像に影響が出てしまいます

 以下の項目に該当する方は検査ができない場合がありますので、事前に必ず医師または検査担当技師にお知らせください。

  • 心臓ペースメーカーを使用している方
  • 手術の既往があり、体内に金属性のもの
    (脳動脈クリップ、人工関節など)がある方
  • 人工内耳を使用している方
  • 義眼や義歯(インプラント)を磁石で固定している方
  • 閉所恐怖所の方
  • 刺青をしている方
  • 妊娠または妊娠の可能性のある方

検査中

  • 検査は通常、MRI装置寝台に仰向けに寝て行います。また、非常に動きに弱い検査ですので検査中はできる限り体を動かさないようにご協力をお願いいたします。
  • 検査中はMRI装置から連続的にガーガーガーと工事現場のような音が続いていきます。
  • 検査中、担当技師は検査室内から出ますが、モニターを通じて患者様に異常がないかを観察しています。患者様ご自身が気分不快や異常な点などが生じた場合は、緊急連絡用のスイッチをお渡ししますので、安心して検査をお受けください。

検査後

  • 検査後は普段通りの生活ができます。
  • 検査結果は、後日主治医から説明されます。

造影剤の使用に関して

 MRI検査での造影剤は、ガドリニウム系造影剤と言われる医薬品を使用し、通常は肘の静脈から注射します。
注射後の副作用の発生頻度は非常に低く0.1%未満です。ただし、以下の項目に該当する方は造影剤の使用が出来ない、または慎重投与をする場合がありますので、事前に必ず担当医師へお知らせください。

  • 過去に造影剤を使用して検査を受けたことがあり、その際気分が悪くなられた方。
  • 食べ物や薬などのアレルギーがある方。
  • 気管支喘息のある方。
  • 現在授乳中の方。

MRI検査Q&Aへ

X線透視造影検査

X線透視造影検査とは?

 人体には、一般のⅩ線では写る部分と写らない部分があります。その写らない部分を見るため、造影剤というお薬を飲んでいただいたり、細いチューブや注射にて造影剤を体内に注入し、Ⅹ線撮影を行う検査の事です。皆さんがよく知っている胃のバリウム検査を始め、食道、大腸といった消化管の診断や、骨折や脱臼の整復などさまざまな検査や処置としても用いられています。

   

検査の種類

消化器造影検査 嚥下造影 上部消化管造影
下部消化管造影 胃瘻交換
ERCP (内視鏡的逆行性胆管膵管造影) PTCD (経皮経肝胆管ドレナージ)
PTGBD (経皮経肝胆嚢ドレナージ) ENBD (内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)
泌尿器造影検査 IVP (経静脈性腎盂造影) DIP (点滴静注腎盂造影)
UG (尿道造影) CG (膀胱造影)
RP (逆行性腎盂尿管造影) 尿管ステント挿入
整形外科 関節、脊髄腔、椎間板造影 神経根ブロック
その他 下肢静脈造影 HSG(子宮卵管造影)

消化器造影検査

 消化器造影検査では、造影剤を用いて食道から
胃・小腸を調べる上部消化管造影と大腸を調べる下部消化管造影があります。
主に形や粘膜の状態を調べます。
また、内視鏡や超音波を併用し、肝・胆嚢・膵臓を調べるERCPや、
胆石などにより流れなくなってしまった胆汁に対して、チューブを
挿入して体外に排泄させるPTCDなどがあります。

泌尿器造影検査

 泌尿器系疾患に関わる一般的なX線撮影検査は、
腎尿管膀胱単純撮影検査(KUB)とヨード系造影剤を用いて、
腎臓、尿管、膀胱、尿道の形や機能を調べる造影撮影検査があります。

整形外科領域

 整形外科領域では、脊柱管の中に造影剤を注入して
その狭窄の程度を調べる脊椎ミエロ撮影検査も行っています。
神経根ブロックは、腰椎にある神経の通り道が圧迫され、
その支配領域である腰部・殿部・下肢に痺れや
痛みが出てしまっている状態の患者さんに、
ピンポイントに麻酔をして痛みを緩和させます。
その他、脱臼した関節を透視下で骨の位置を見ながら整復(関節・骨をもとの位置に戻す)を行っています。

検査の注意事項

検査前

●消化器、泌尿器検査の場合は約4時間前からお食事をとらないようお願い致します。

●内服薬は主治医の指示に従ってください。

●排尿は主治医の指示に従ってください。

●衣服は、金具やプラスチック製のボタンまたは装飾品が撮影範囲に含まれていると診断の妨げになりますので、撮影前に外していただくか、検査衣に着替えていただきます。

検査中

  • 検査中は指示があるまでお身体を動かさないようにお願いします。
    また、体位変換や移動を行う際は、指示がありますのでご協力をお願いいたします。

検査後

  • 泌尿器造影の造影剤は尿として体外へ排泄されるので、
    検査後は水分(水・お茶等)を多めに摂るようにしてください。
    食事制限や、水分の制限がある方は医師の指示に従ってください。

X線透視造影検査Q&Aへ

血管造影検査

血管造影検査とは?

 カテーテルという細い管を血管内に入れて造影剤(検査のための薬)を注入し、血液の流れを撮影します。

 がんなどの悪性腫瘍を治療するため抗がん剤を注入したり、腫瘍に栄養を供給している血管を遮断したりすることも行われています。

 当院ではフラットパネル方式を採用しており、従来のCR方式に比べてひずみのない鮮明な画像が得られます。

PHILIPS社製 Allura Xper FD20

検査方法

  1. 通常は、脚の付け根付近にある大腿動脈、或いは肘の辺りにある上腕動脈(静脈)に針を刺し、そこからカテーテルという管を血管内に挿入します。
  2. カテーテルの先端を目的の血管まで進めてから、造影剤を注入して撮影を行います。
  3. カテーテルを皮膚や皮下組織を通過させて血管内に挿入するため、カテーテル挿入部分に局所麻酔をします。検査時の痛みはこの麻酔の注射の痛みだけで、ほかに苦痛は殆どありません。
  4. 造影剤注入時に身体が熱くなったように感じる場合がありますが、一時的なものですぐ鎮まるので心配ありません。
  5. 検査終了後カテーテルを血管より抜き、カテーテルの挿入部分を暫く押さえ止血しますが、カテーテルの挿入部分からの再出血を防ぐために、脚の付け根からカテーテルを挿入して行った場合で検査後の安静が5時間程度、肘の場合は、検査後の安静が4時間程度必要となるため、血管造影検査は多くの場合入院して行われます。
  6. 下肢静脈(静脈瘤、血栓症)の検査では、足の甲の表面の静脈に注射針を刺して造影剤を注入するため外来での検査が一般的です。

検査の種類

 動脈瘤(写真1)・動静脈奇形・動脈硬化・狭窄・閉塞といった、血管形態の診断や、脳や肝臓などの腫瘤性病変(写真2)の診断などを目的に行われます。
また診断のみではなく、血管の狭くなった部位を拡げる血管拡張術、腫瘍を栄養している動脈に塞栓物質を注入して人為的に閉塞させる動脈閉塞術など、血管造影検査の手技を利用した血管内治療(IVR)も施行しています。

写真1 頭部血管造影 写真2 腹部血管造影

検査の流れ

検査前

  • 検査前日までに入院していただきます
  • 検査当日の朝食は原則として禁食となりますが、水分は摂取して構いません。
  • 大腿動脈からカテーテルを挿入する場合は、鼠径部を剃毛いたします。
  • 検査時間が長引く場合に備え、予め小水の管を入れておく事があります。

検査中

  • 患者さんには寝台の上で横になって頂きます
  • 検査中の状態を観察するため、心電計や血圧計などを装着します。
  • 身体の上に無菌のシーツを被せます。
  • 穿刺部位に麻酔をしてからカテーテルを挿入し、目的の血管にアプローチ。
  • 目的の血管にカテーテルの先端が入ったら撮影です。
  • 脳血管撮影では、撮影中は頭を動かさずにいて頂きます。
  • 腹部血管撮影等、呼吸で動く部位の撮影では十数秒ほど息止めをして頂きます。 

検査後

  • カテーテルを抜去してから、穿刺部位を10分ほど圧迫止血します。
  • 圧迫固定後に病室へ戻りますが、穿刺部位を動かすと再出血の恐れがあるためベッド上で5時間ほど安静にして頂きます。
  • 検査終了後は普通に飲食して構いません。
  • 検査翌日、穿刺部位の出血が無い事を確認後は通常通りの生活に戻れます。

造影剤の副作用について

 CT検査の項をご参照ください。

造影剤の使用に関して

血管造影検査Q&Aへ

放射線治療

放射線治療とは?

高エネルギー光子線(X線・電子線)を病巣に照射することでがん細胞を死滅させることを目的としています。


射線はがん細胞のみでなく、正常な細胞にも同じような作用をします。しかし、正常細胞はがん細胞よりも受ける障害の程度が軽いので放射線治療を行うことができます。
放射線を繰り返し照射することで、細胞に障害を与えて細胞分裂をとめ、やがてがん細胞を死滅させます。一方健康な細胞は障害を受けてもある程度修復できるため時間とともに回復します。

この放射線の効果はがんの種類によって異なり、効果を最大限利用するため、一般的に放射線治療は10~30回に分けて照射します。治療の回数は、がんの種類・状態、治療する面積、各装置によっても変わります。放射線科医が一人一人に合わせ、治療計画を立てています。


新型リニアック :Elekta Synergy

患者さんが治療寝台に治療体位で寝たまま3次元のCT画像を撮影することが可能であり、その画像を治療計画時のCT画像と重ね合わせることにより、自動で位置を補正することができます。治療開始直前や治療期間中、画像の取得・照合が同時に行えるため、位置の移動のばらつきを抑えることができ、mm単位の精度で放射線治療が実施できます。

放射線治療の目的

 放射線治療はいくつかの目的で行われます。

根治的照射

 がんを完全に治す目的での照射です。放射線に感受性の高いがん、小さながん、切除できない部位のがんの治療として行われます。抗がん剤と併用し行うこともあります。

緩和的照射

 放射線によりがん病巣を小さくすることによる気管・血管・神経などの圧迫、骨転移による痛み、骨折の危険性、脳転移による神経症状などを取り除き、がんの症状を和らげることを目的とした照射です。緩和ケアに用いることで生命・生活の質(QOL)を向上させることができます。

術前照射

 手術で取りきれない可能性のある細胞にダメージを与え、がん病巣を出来るだけ小さくし手術しやすくすることを目的として行います。

術後照射

 手術で取りきれず残った細胞に照射し再発の可能性を低くすることを目的として行います。

予防照射

 将来的に転移しやすい部位に転移を予防する目的として行います。

放射線治療のポイント

  • 放射線治療による影響は通常照射された部位にのみ現れます。また一時的なもので治療期間終了後徐々に改善されていきます。影響は照射した部位や線量によって異なります。
  • 放射線を照射しても何も感じません。しかし、照射回数が増えてくると照射部位に炎症が起こり日焼けのように痒みや痛みが出てくることがあります。
  • 外部照射では患者さんの体から放射線が出ることはありませんので心配はいりません。
  • 放射線治療は通常、土日祝日を除く平日に毎日行います。放射線治療はなるべく休まず、予定回数を最後まで受けていただくことが大切です。
  • 放射線治療は通常10分程度で終わりますが、照射の準備をする日や、位置確認の写真を撮影する日は20~30分かかることもあります。
  • 治療中は十分に休養をとり、バランスの取れた食事をとり体調を保つことも重要です。また、喫煙は禁物です。
  • 一度放射線治療を行った部位は、再発しても同じ部位には再度照射はできません。しかし照射をしていない別の部位であれば放射線治療を行うことは可能です。

放射線治療中のお願い

  • 治療中には患者様以外は入室できません
  • 治療中は動かないでください
  • 決められた回数の治療が必要です
  • 治療のための印は消さないでください
  • 治療部位には絆創膏や湿布など、皮膚に刺激の与えるものを貼らないでください
  • 治療は予約制です 当日緊急の治療は行うことができません
  • 何かご都合でお休みになる場合や、治療予定時間に遅れそうになった場合など、必ずご連絡ください

Tel:028-622-5241(代) 内線3550 栃木医療センター 放射線科 治療室

放射線治療 外来診療体制

午前 村上 恵理
岡田 光平
中村 道子 村上 恵理
遠藤 雅士
江島 泰生 村上 恵理
高橋 聡(第1週)
白井 克幸(第3週)
午後 村上 恵理 村上 恵理
遠藤 雅士
村上 恵理

※初診、再診ともに完全予約制

放射線治療をお受けになる方

  1. 初診窓口(1番)にて、初診受付にお越しください
  2. 受付票をお渡ししますので、お持ちになって、そのまま放射線治療室へお進みいただきます
  3. 放射線治療室の受付にて、確認のため、名前や生年月日等をお聞きいたしますので、ご協力をお願いいたします
  4. 放射線治療待合室へご案内いたします

放射線治療の進め方

放射線治療は以下のように進んでいきます

診察

最初に治療内容について放射線治療医の診察を行います。不安な点などご相談ください。

治療計画

治療計画のためのCT撮影、照射部位によっては固定具の作成を行います。撮影画像を用いて、コンピューターで最良の計画を立案するための計算を行います。

検証・転送試験

治療の安全を確保するためコンピューターの計算結果が良好であるかの確認作業を行います。

位置照合

治療開始日に位置が正しいか、最終確認を行います。リニアックに装備されたX線撮影装置により、X線写真、CT画像を取得し、数ミリ単位の位置合わせを行います。

照射

治療は月曜日から金曜日まで行います(土日祝日はお休み)。治療方法によっては1週間で終了する方、数週間で終了する方など、さまざまです。

診察

週に一度、一人ひとり患者様の治療計画に合わせ、診察を行います。
診察日以外でも、ちょっとした相談事や心配なことがありましたら、随時対応いたします。お気軽にご相談ください。

終了

ご紹介頂きました医療機関の先生と密な連絡をとり、治療終了時に報告書をお渡しします。

放射線治療Q&Aへ

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