活躍する認定看護師

活躍する認定看護師

がん性疼痛看護認定看護師   山本 昭子

 患者さんが自分らしい生活を送ることが出来るよう疼痛軽減を中心として関わっています。特に麻薬性鎮痛薬の使用方法や使用量の調整、副作用の対策などを看護師が細かくアセスメントできるようにアドバイスしています。患者さんががんと診断されたときから全人的にとらえ、苦痛軽減がはかれるよう努め、がん看護の質の向上を目指していきます。

「感染症からみんなを守るために…」 感染管理認定看護師  丸山 沙緒里

 感染管理認定看護師の丸山です。私は病院に携わる全ての人々(患者さんと家族、職員、学生等)を感染症から守るために日々活動しています。感染対策で一番大切なことは手指衛生(手洗い、アルコール消毒)です。目には見えないばい菌が存在している事をみんなに理解してもらい必要な感染対策を行えるようにお手伝いしています。看護師だけでなく、患者さんと関わる職種に感染対策の勉強会を行い必要性を伝えています。院内には感染制御チームがあり、病院の中を巡回したり実際に患者さんの治療(抗菌薬の選択等)のお手伝いを行っています。患者さんが安心して入院生活を送れるように病院が一つとなって感染を予防するための活動を行っています。
他にも地域の方へ手洗いを広める活動も行っています。看護の日に手洗い方法を来客した方に伝えたり、小学校で「手洗い教室」を行い、寸劇で手洗いの必要性を伝え、自分の手洗いの洗い残しを見て実感してもらい、正しい手洗いの方法を教えています。感染は予防することが大切です。当院に来て感染について分からないことがありましたら、何でも聞いてください。一緒に普段感じている疑問を解決しましょう。

「感染防止は手洗いから」 感染管理認定看護師  村上 広美

 患者さんとその家族、そして院内で働いている職員とその家族を感染症から守るため医師、薬剤師、臨床検査技師、事務部などたくさんの職種と連携して日々活動をしています。
 入院している患者さんは免疫機能が低下している方が多く、感染症にかかりやすい状態にあります。また、家族が感染症になったら患者さんに、面会できなくなってしまいます。
 職員が感染症にかかってしまったら、仕事ができない、患者さんにうつしてしま恐れがあります。そこで、感染防止対策として皆さんに行ってほしいとお願いしていることは手指衛生(手洗い、アルコール消毒)です。多職種に勉強会を行い、手指衛生の大切さや、感染防止対策の必要性を伝えています。私一人ではできないことなので、全職員で、協力し、患者さんが安心して入院生活が送れるよう活動しています。

「メスとペアンとコッヘルと!」 手術看護認定看護師  薄葉 美果子

 手術を受ける患者さんは、「まな板の鯉ですから」という言葉をよく聴かれます。しかし、その言葉の裏には、期待感と共に強い不安と恐怖が混在していると思います。患者さんの不安はどんな看護をしても、すべて取り除くことはできません。しかし、そんな患者さんのために、手術看護認定看護師として専門的知識と技術を駆使し「患者さんの精神的・身体的サポートと、患者さんを支える家族の精神的支えになれる存在でいたい」と思っています。
手術室では、患者さんを中心に医師・麻酔科医師、手術室看護師、病棟や外来看護師だけではなく、他部門を含め病院全体(チーム)で協働し医療や看護を提供しています。これからも、最も侵襲の強い手術に関わる場所で「根拠のある安全で安楽な優しい看護、患者さんとその家族の支えとなる看護」を行えるよう日々研鑚して行きます。

「認定看護師としての活動」 皮膚・排泄ケア認定看護師  遠藤 富美

 私は2001年に日本看護協会看護研修学校認定看護師教育専門課程を卒業、WOC(創傷・オストミー・失禁)看護認定看護師(現在の皮膚・排泄ケア認定看護師)の資格を取得致しました。現施設へは2002年に入職し、4年間の病棟勤務の後、2006年度より専従のポジションに就き、褥瘡対策を中心とした専門分野に従事しております。

院内での主な活動

【褥瘡対策】 医師・看護師・栄養士他の多職種からなる「褥瘡対策チーム」を発足し、多面的で総合的な褥瘡ケアの提供を目指しております。2006年からは「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」を取得、より質の高い褥瘡予防ケアの実践を目指してチームの牽引役を担っております。
リンク ☞ 褥瘡対策チーム

【ストーマ外来】 ストーマを造設された患者様の相談窓口であるストーマ外来を担当しています。ストーマをもった皆さまが少しでも快適な生活を送ることが出来るようサポート致します。

【教育活動】 看護師の技術の向上と啓蒙のために院内研修会を企画・実行、手順やマニュアルの検討・整備等を行います。また、地域からのご相談や近隣施設からの講師のご依頼にも対応するなど、地域医療への貢献をモットーとしております。

皮膚・排泄ケアは患者様の生活に密着した極めて基礎的な看護技術を突き詰めたものであると考えております。日々の活動を通して、1人でも多くの看護師がこの分野に興味を持ち、患者様の生活の質の向上につながるケアの提供が図れるよう今後も努力して参ります。

「子どもたちのために」 アレルギーエデュケーター  田野井 寛子

 栃木医療センター小児科では、アレルギー専門医による気管支喘息の外来診療や入院治療、アトピー性皮膚炎の教育入院、また年間130例を超える入院食物負荷試験の実績に基づき、食物アレルギーの専門的なフォローを積極的に行っています。
 小児アレルギーエデュケーターとして、日々アレルギーに悩んでいるご家族や子供たちの不安を少しでも和らげることや、リスクを持っている子どもたちの成長・発達過程に少しでも力になりたいと思っています。

「きめ細やかなサポートを・・」 アレルギーエデュケーター  瀬下 陽子

 当院には2名の小児アレルギーエデュケーター(PAE)看護師がいます。私達の役割はアレルギーの専門知識を身につけ、医師よりも身近な存在として患者さんからの相談を受けながらきめ細やかなサポートをすることで、効果的な治療につながるようどんなことでも相談でき、身近な存在になれるよう援助してきたいと思います。小児アレルギーエデュケーターの名札を付けておりますのでお気軽にご相談ください。

具体的取り組み内容

*食物アレルギーの患者さんには、食物経口負荷試験を医師の指示のもと実施しています。
 依頼があれば、学校・保育園・幼稚園に出向き、食物アレルギーの緊急時の対応やエピペンの打ち方について説明を行っています。
*アトピー性皮膚炎の患者さんにスキンケア(身体の洗い方、泡の作り方)や、軟膏の正しい塗り方などをサポートしています。
*喘息の患者さんには必要な環境整備や吸入の正しい方法について説明しています。ご希望の方は、病院代表までお問い合わせください。

せん妄・認知症ケアチーム 認知症看護認定看護師  佐藤 享子 菅野 妃穂子 村上 真知子

 栃木医療センターでは、2018年4月に高い専門性と実践力ある認知症ケアを提供したく、多職種チームでの連携・協働できる「せん妄・認知症ケアチーム」を設立しました。私達は、急性期病院で認知症高齢者が安心して治療に専念できる療養環境の提供を目標に日々活動しています。
 病院に入院する認知症高齢者は、身体疾患の増悪による苦痛や慣れない環境で不安が大きく興奮と混乱をきたしやすいです。ケアに関わる看護師は、大声えで怒鳴る、ケア拒否、拒食などの行動の対応に困難を感じてしまいます。そこで各病棟から対応に苦慮する事例の依頼を受け、カルテからの情報収集後、病棟へ伺い患者、家族、病棟看護師より情報収集を行っています。その後、せん妄・認知症ケアチームのカンファレンスにて相談し、それぞれの専門性からアセスメント後、対応を考え週1回ラウンドしています。
 認知症看護で大切なのは、認知症ケアの本質である「その人らしさ」を視点に、言語化できない要件やニーズなどの声を捉えることが大切です。身体疾患の治療のため安静を強いられ、点滴や検査など心身的にもストレスが生じる環境では、認知症の発症や悪化、せん妄などの行動・心理症状が生じ元の生活に戻れなくなることがあります。そのため、私達は、治療を進めると同時に入院環境を整えられるよう、病棟ラウンドやチームの回診を通じ病棟スタッフと関わり、一緒に考え、患者の安心と安寧のケアを提供していきたいと考えています。今後は、地域の方へも認知症ケアを伝えていけたらお考えています。出前講座で寸劇を見ていただき一緒にケア方法を考え、ケアを実感してもらえるようお伝えしていきたいと思っております。せん妄・認知症看護について分からないことがありましたら、何でも聞いてください。普段感じている違和感や対応の困難さなど、一緒にせん妄・認知症ケアを考えていきたいです。

「呼吸ケアで患者さんを笑顔に・・」 慢性呼吸器疾患看護認定看護師  上栫 奈央子

 慢性呼吸器疾患を抱えながらも、その人らしい生活を支えられるよう、日常生活での不安や苦痛を和らげられる呼吸方法や生活支援について患者さん、家族と一緒に考えていきたいと思います。また、慢性呼吸器疾患に関するケアの領域における役割モデルとして慢性呼吸器疾患看護の質の向上を目指していきます。

「その人らしいLifeを支えるために」 緩和ケア認定看護師  野沢 峰子

 緩和ケアとは、がん、慢性心・肺疾患といった生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOL(生活の質)を、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチのことをいいます。
 疾患や治療・検査に伴う身体のつらさ、心のつらさ、家庭・社会おける問題、存在意義や価値観の揺らぎから来るつらさなど、その疾患と診断された時から治療・療養をはじめ、お看取り、大切な存在を亡くされた家族のつらさに対して、苦痛を和らげるためのケアや対応への提案を医師・薬剤師・栄養士・リハビリ・ソーシャルワーカーなど多職種とともに行いながら、地域連携や講演などにも取り組んでいます。さらに、当院におけるがん医療・療養の質向上を目指し、「キャンサーボード」という協議の場で病棟・チーム単位での症例について院内を横断し定期開催しています。
 これらの活動を通して、様々な苦痛を抱える患者さん・家族に寄り添い、苦痛の緩和とその人らしく過ごせるお手伝いを目指しています。

「治療を受けるあなたと家族をサポート」 がん放射線療法認定看護師  岡本 夏織

 私は、がんを「自分のせいだ。」「自分の病気だから仕方のないことだ。」などと悩みや苦しみを1人で抱えている方へ、ただ傾聴や共感的対応しかできず、ジレンマを抱えながら看護をしていました。放射線治療外来に配属となり、がん患者と密接に関わらせていただく機会が増え、患者や家族に「あなたがいてくれて良かった。」「あなたのおかげで治療を頑張れた。」と感謝の言葉をいただき、とてもやりがいを感じました。放射線治療の専門的な知識と技術を身につけ、全人的な看護と、有害事象に対するケアの個別化を充実させ、さらに患者・家族の不安解消に努めたいと思い認定看護師を目指すことを決意しました。
 現在、各科外来や病棟看護師と連携し、自分が橋渡しの役割を担う事で、放射線治療の維持や継続看護につなげたいと思っています。また、院内緩和ケアチームとして活動する中、放射線治療は手術に準ずる三大療法である事や、疼痛緩和のメリットがある事を伝え、更に多職種と協働して患者や家族のサポートをしていきたいです。
 また、当科ではあらゆる固形がんに対する放射線治療に対応している他、リンパ浮腫ケア、アピアランスケアにも力を入れています。ぜひお気軽にお声かけください。